言葉の煽情的ボディライン/ただのみきや
 
魔のようにも振舞える
ただ人の場合前者と後者に違いはない





生者と死者と

わたしの中のきみの含有率を想う
時間はすっかり湿気にあてられて
スローガンをプリントしたTシャツのように
堆積する鳩の死を共有するための錠剤に高値が付いた

記憶から煙草を拾い上げる
ディズニー映画嫌いのマゾヒストが漁船に乗って
戦争へ出かけてゆく
太陽はやっぱりいっぱいだ

裂果して商品価値を失った
きみは素敵だ
傷口は語り傷口は匂う
そして言葉は後戻りしない

声は雨に濡れていた
逃げ出した幼子が母親につかまるまでの間
それは時間ではなく空虚な果実

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