都市/壮佑
 
いる。そんな廃墟のような都市の街路を、人々
は妙に律儀に挨拶を交わし、あっちを向いたりこっち
を向いたり、方向転換しては歩き回る。さながら古い
B級SFに出てくるネジの錆びたロボットのように。
/┌─―/―/

・Ship that ran aground・|―/──/┌─―|―
俺は知っている。みんなは暗い船底からやって来たん
だ。黒潮の循環がとうとう力尽きて、悲鳴を上げなが
ら干上がった海で、あえなく座礁した船を打ち捨てて
来たんだ。そうして水平線や地平線の向こうから、ぞ
ろぞろ姿を現わしては、砂糖に群がる蟻のように、こ
の都市にやって来ると、この街のこの交差点で一時停
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