詩の日めくり 二〇一九年十月一日─三十一日/田中宏輔
永遠とは、つかの間の命しか与えられていない、われわれ人間のなかにしかないのだ。
二〇一九年十月十二日 「詩論」
どのような詩が求められているのか論じてばかりいないで、なぜ、求められている詩を書かないのだ。
二〇一九年十月十三日 「詩論」
人間を操っているのがロゴスである。
二〇一九年十月十四日 「省察」
恋人が去り、自分の自我の一部となっていた恋人の存在が変質していく。時がたち、その存在の特徴が薄れ、自分の自我のどこかにおさめられ、その痕跡もわからなくなるときがくる。完全に吸収したのだ。それが、ひとと付き合うということのなかに大き
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