詩の日めくり 二〇一九年十月一日─三十一日/田中宏輔
知らない他人の言葉にさえ、気にとめてもいない人間の言葉にさえ、影響を受けることがある。
二〇一九年十月九日 「詩論」
その言葉には意味があった。たとえ真実であっても、真実ではなかったとしても。
二〇一九年十月十日 「退院」
退院してきた。歩くのも、ぎこちなく。まだ切ったお腹が痛いからね。お腹に痛みが走るとともに、なぜかしら、左肩がギューンと凝りだす。つながってるのかな。痛み止めをのんだ。横になって眠ろう。そうだ。病室では、ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』を読んでいた。ファウストを思い出していた。
二〇一九年十月十一日 「考察」
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