詩の日めくり 二〇一九年十月一日─三十一日/田中宏輔
二〇一九年十月六日 「考察」
まったく見たことのない数式を瞬時に理解するのは難しい。感情もまた同様に、まったく新しい感覚も、自分のものであっても、他人のものであっても、すぐに理解することは難しい。
二〇一九年十月七日 「詩論」
ワーズワースの「この無制限の自由は私を疲れさせる。」と、ゲーテの「我々に自由を与え得るのは、ただ法則だけだ。」を読むと、「型が精神集中力を持続させるのではないか」と思った。たとえば、俳句や短歌のことだ。
二〇一九年十月八日 「詩論」
見てもいない人間からも、ひとは影響を受ける。
ふと耳にした、まったく知ら
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