寺山修司フェア(ハルキ文庫)/藤原 実
 
をまず調べたい。次に横のつながりにおいて同時代の芸術家たちと何が共通したもの、何が異なっているかを考えたい。この縦、横の芸術的交流体は精神共同体のような我々の時代には既に失われてしまっている不可能な前提ではないのだ。二十世紀の作家といえども、この芸術的交流体にはたえず触れているのであり、またその中で生きているものなのだ。それはもはや過去に失われてしまった現実不在のものではなく現に実在しているものなのである。もし山本健吉氏が古典の世界で人麿に共同体の及ぼした影響を考えるならば、現代文学の世界ではこの共同体に代わるものは芸術的交流体なのである。(同上)




と述べています。この「芸術的
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