寺山修司フェア(ハルキ文庫)/藤原 実
 
く時、我々はそれが古典であり現代文学ではないことを、つまり共同体を我々は全く喪っている時代にある以上どうすればいいかという疑問に捉えられる。我々は氏の言う原型善をもった人麿の時代に生きていないからだ。 (遠藤周作「現代文学の義務」)




遠藤は山本の主張の意義を近代文学の無秩序を正そうとするものとして認めながら、一方的な意見でもある、としています。そして


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私はまずある作家や芸術家を他の作家や芸術家とのつながりの中でとらえたい。つまり彼が縦のつながりにおいて過去の芸術的遺産からいかなる痕跡をうけたかをま
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