詩の日めくり 二〇一九年八月一日─三十一日/田中宏輔
 



二〇一九年八月二十二日 「詩論」


それは、言葉ではなく、言葉と言葉をつなぐもののなかに吸収されていった。


二〇一九年八月二十三日 「断片」


 彼は、まだ、わたしのなかに、わたしの喜びと悲しみのなかに存在していたのであった。


二〇一九年八月二十四日 「詩論」


 個々の人間の精神のなかにある「ことば」と、その個々の人間を取り巻く環境のなかにある「ことば」とは、つねに与え合い受け取り合っているものがあるはずだ。なぜ多くの詩人たちは、「ことば」をまるで変わらないものとしてしか扱えないのか。言葉は柔軟なのに、詩人はそうではないようだ。



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