詩の日めくり 二〇一九年八月一日─三十一日/田中宏輔
まり知らなかったので、よくわからなかった。よくわからないものは、おもしろくなかった。あたりまえか。そうだ。わからないし、おもしろくなかったのだ。うん? わからなくてもおもしろいものはあるのだろうか。あるか。パウンドのピサ詩篇、知らないことがいっぱい出てくるけど、おもしろかった。知らないと、わからないは違うか。知らないことが書いてあっても、おもしろいのだから、知らないことと、わからないことは違うか。違うね。エリオットの『荒地』なんか、笑ってしまったものね。そういえば、このあいだ、岩波文庫から出たエリオットの詩集、ひさしぶりにエリオット読み直して、やっぱり笑ってしまったものね。あ、知らないことと、わか
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