詩の日めくり 二〇一九年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
現できない表現なのだなとも思った。


二〇一九年六月十日 「桜餅」


 子どものころ、桜餅が大好きだった。ただし、葉っぱは、子どものころは食べなかった。大人になって、葉っぱも食べるものだということを知ってから食べるようになった。食べるものだと知らなかったら、いまだに、葉っぱを取り除いて食べていたことだろう。


二〇一九年六月十一日 「アヘ声」


 まあ、ちがうと思う。そんなに頻繁じゃないから。セックスのときのアヘ声かなあ。このあいだ、相手の子、あんまり声がうるさいから口元、手でおさえたんだけど、思わず、そのまま首を絞めてやろうかと思ったけれど、まだそこまでは自分の性
[次のページ]
戻る   Point(13)