二十二歳に書いた歌詞/板谷みきょう
いまも
*★*――――*★*
『さすらい人』
忘れかけた思い出だけを
抱きしめて君は出ていく
ほのかな想いを抱く女も知らず
憧れだけを頼りに
ベルの音が響くホームで
見送る人の影も無いまま
一人列車に飛び乗ったのは
朝もや立つ夏のこと
僅かばかりの
未練を残し
君は何を考えたのか
振り返り断ち切れ夢のため
帰れぬ今は旅立ちの朝
希望に満ちた憧れの街
過ごすうちに君は気付いた
見渡す限りにビルの立ち並ぶ
他人だらけの街だったのを
車が通ると揺れる部屋で
バイトに疲れた体を横たえ
夢も色あせ
ギター爪弾き歌う
優しかった故郷を
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