重度のシンコペーション/ホロウ・シカエルボク
け頑張ってもそこには辿り着けないだろう、おそらくあれは、なにかしらの変化の瞬間だったのだ、道は静まり返った、日曜の午後とは思えない静けさだ、やがてどこかのトタン壁を叩く雨粒の音が聞こえて、ああ、そういうことだったのかと気付く、きっとそれはもっと早くから降り続いていたのだ、カーテンを閉め切ったままの部屋では外界を知るのが遅れる、けれどなにも日に焼けることはない、なにを守ればいいのかという話だ―そうさ、大事なことはいつだってそんなもののはずさ、示された方角ばかりに動く傀儡じゃない、自分の爪先がどこを向いているのかってことぐらい、歩く前から分かっておかなくちゃ…流行病はビジネスになりつつある、テレビのニ
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