詩の日めくり 二〇一九年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
桜の花が飾ってあったけど
すぐそばの建仁寺に突き当たったところには
ほんとの桜が咲いていた
という
豚汁がおいしかった
彫刻刃で削ったカツオの削り節が
よくきいていた
ジャンジャンバリバリ
ジャンジャンバリバリ

詩に飽きたころに
小説でオジャン
あれを見たまえ


二〇一九年四月四日 「セーターの行方」


 きょうは、ぐでんぐでんに酔っ払って帰ってきた。いつも行く日知庵で、作家の先生といっしょになって、三軒の梯子をした。日知庵には、俳優の美木良介が女連れできていた。ぼくと先生と先生の奥さんの三人はカウンター席に坐っていたのだけれど、その後ろのテーブル席に、ぼ
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