詩の日めくり 二〇一九年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
を目指す一方で、人生の最も低い地上からの眼差しを詩人に要請する、そこから詩人の無名性が必然とされる。」という言葉に、しかりと深くうなずく自分がいた。連載エッセーも楽しく知的なものであった。


二〇一九年四月十五日 「岸辺ゆきさん」


 岸辺ゆきさんから、詩集『ある老女へ』を送っていただいた。まず表紙に目がとまった。ぼくのいまの心境にひじょうに響くものがあった。手触りもよい。ぼくのこれから出す詩集の参考にしようと思った。詩作品は、詩句がつまずくことを前提にしてつくられたもののように感じられた。ここちよいつまずき。


二〇一九年四月十六日 「橋場仁奈さん」


 橋場仁奈
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