詩の日めくり 二〇一九年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
自尊心をくすぐり、相手が気持ちよく自分自身の気持ちを語るように促した。自分が快楽を得るためには先に他者に快楽を与えなければならないことを彼は熟知していた。


二〇一九年四月八日 「藤井晴美さん」


 藤井晴美さんから、大判の詩集『不明の家』を送っていただいた。うれしいことだ。藤井晴美さんの詩は一気に読める。途中で読むのをやめられない。「文字状爆発」という詩に、「ぼくはいつも幽霊と飲んでいる。だから話はどうしても死の双極性に傾きがちだ。」という詩句がある。なるほどしかりである。


二〇一九年四月九日 「柴田 望さん」


 柴田 望さんから、詩誌『フラジゃイル』第5号を
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