詩の日めくり 二〇一九年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
よってアンソロジーを組むほうが
ずっと有益だと思うのだけれど
日本の詩のアンソロジストには、その見識はないようである。
ぼくのなかで、吉増剛造が偉大な詩人であったのは
北園などのモダニズム詩人たちのように
形式の発明者だったからである。
いまの吉増さんは
自分のつくった形式に溺れているような感じで
見苦しい思いをするのだが
それでも過去には偉大であったのだ。
日本の詩の貧しさはいつまでつづくのだろう。

新しい形式だと認識するには
過去の膨大な形式を知る必要がありますから
ぼくの詩の形式を
新しい形式だと判断できるひとは少ないと思います。
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