泥棒する青空/ただのみきや
 
者たちの輪が
責任のしりとりを始めて賑わい出した屋台はクーデターを紡いだが
結局綿菓子にしかならず金魚一匹救い出せないまま夜の薄皮を一枚
捲っただけで名前を捨て去り死者を装う時代の上澄みの泡沫となった
全身おみくじだらけの女から火だるまの消防車が飛び出して来ると
目的地もないままやかましく人々の休日を走り回っていたが
玉虫色の正論で身を飾ったマッド・サイエンティストかマゾヒストか
見わけもつかない露出狂の預言者が自らを冷たい燐寸として
批判に身を擦り付ける姿には耐え切れず動画のモルヒネで眼耳を洗った
誰だっておもちゃの缶詰を投げつけてやりたかったが
誰もがそれを得ている訳ではな
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