戦艦パラダイス号/atsuchan69
たりを撫ぜ、「陽は沈む。とてもゆっくりとだがね」艦長はしみじみとそう言った。「艦長、もうひとつ解らないことがあります」カムパネラは今回の作戦で味方の船を沈めてしまった経緯を率直に話した。「多くの人命と我軍の護衛艦1隻を自分のミスで失いました。それなのに今のところ処分の動きが全くありません。それはなぜでしょうか?」艦長はふたたび背を向けた。「言ったはずだ、自由にやれと。それは護衛艦すべてにも命じた。戦争というものは破壊こそが真実なのだ。敵も味方もない、そのために戦っているのだ。そして今回、君は多額の【消費】を行った。じつに勲章ものだよ」そんな馬鹿な、とカムパネラは思った。でもよく考えてみると、確かに
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