林檎とミルクの思い出/板谷みきょう
 
込む喜悦の姿を
見ることが
その頃のボクの幸せだったのだ

ボクと云えば
強く握り扱く自慰しか知らなかったから
からみつく温かな粘液の蜜壺では
刺激が足りなく
「こんなもんの何処が良いんだ。」と思い
激しく腰を振り続け必死になって
何とか
射精にこぎつける有様だった

遅漏の理由を
口にしたことは無かったが
彼女の睦言には
「何度も昇天させられ素敵だわ。」と
良く口にした

「こんなもんの何処が良いんだ。」
脳裏に浮かんでくる思いを打ち消すように
激しく腰を振り挿入を繰り返し
強く激しく突き上げ
果てては虚脱感に眠り
目覚めては繰り返しを朝まで続けた
[次のページ]
戻る   Point(3)