詩の日めくり 二〇一九年二月一日─三十一日/田中宏輔
ているつもりなのだけれど、そして、その「ぼく」というのは、ぼくの作品の『マールボロ。』のように、「ぼく以外の体験を通したぼく」、「ぼくではないぼく」というものも含めてのさまざまな「ぼく」を通して、イデアとしての「ぼく」を追求しているのに、引用というレトリックも、その有効な文学技法の一つであり、そのことについて、何度も書いているのだけれど、だれひとり、そのことについて言及してくれるひとがいないのには、がっくりしてしまう。それだから、ぼくの作品について、ぼく自身が語らなければならないのだけれど、ぼくの視点からではなく、異なる視点から言及してほしいとも思うのだけれど、そんなに難しいことなんだろうか。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(14)