マジタナカ/ゼッケン
 
こう言う
自分が何を描き始めるかは
描き終わるまで分からない
無限の両端がつながる領域では自分自身との和解が成立するのかもしれないが、
ここは同窓会の会場だ、ホテルの宴会場で開かれている立食パーティーで
おれはミートソースのスパゲティを大皿からトングでぐるぐると巻いて持ち上げる
自分の皿に置いたとき、トングからはねたソースがおれのワイシャツのそでに赤いしみをつける
おひさしぶり、マジタナカくん
誰? 
マジスズキよ、忘れたの? ほら、
マジサトウ、マジヤマダ、マジキムラ先生たちも
来てるんだよ、マジサトウがおれに向かって手を振る
本当はマジスズキはマジタナカのことが好きだっ
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