Through the Past, Darkly/ホロウ・シカエルボク
 
品のある相手ならどこかで通じ合えるということだから…まあ、悪魔ってそもそもは神様だったらしいし?腹を膨らました俺はコーヒーマシンをセットして昨日買ってきた粉を放り込んで蒸気が作り出す異様に美味い飲物を体内に流し込む、そして窓の外を見る、確かにいい天気だ、悪魔の言うとおりだ、服を着替えて少し散歩に出る、悪魔は俺の少し後ろを頭部を欠いたままついてくる、時々、そういうことが分かるらしい人間が驚いた顔で振り返る、見えているのか、あるいは感じているのか、そんなことまでは分からない、だけど漫画でよくあるみたいに、あなた、そいつをなんとかしておかないとまずいことになるよ、なんて耳打ちしてくる人間はひとりも居ない
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