ライタァジェノサイド/月夜乃海花
だよ。エンタァテイナァとして人々の人生を産んでしまった神としてのね。僕のことを『書面の快楽殺人鬼』と呼ぶ人もいるようだけれど、ただの懺悔を繰り返してるだけの影だよ。彼らを見世物にしてしまった。彼らを勝手に産んでそして被害者にしたり、加害者にしたり、本当は平穏な人生を送りたかったかもしれないのに壮絶な人生にしてしまった。僕の償いは彼らに届くだろうか。僕が生み出したのは物語というただの見世物小屋に過ぎなかった。」
彼は万年筆をくるりと掌で回して嗤う。
「さて、君はどうしたい?ここで死ぬか、それともまだ他人に勝手に人生を創造されるのを待つか。これで最期だ。」
万年筆は、いや、万年筆を持
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