14/末下りょう
 
ョンも 皮肉も  すべて  わたしは ぼくは愛してた


あの頃ぼくたちは わたしたちの決定的な何かが変わる気がしてた

朝焼ける町の堤防を歩いて明るみだす洞窟の水溜まりにジャンプするみたいに走り出して
わたしたちには ぼくたちにも救いがあるんじゃないかって この先の景色にまだ許されることもあるんじゃないかって

東の終着駅から西の終着駅まで途切れることなく町を分断する壁に原色の線を走らせるきみと出会い
鼻の高さから日付変更線が滲み出すきみを信じて愛することを知ったように思えた
抑えきれないほど触れたくてうまく理解できずに泣いてたら何かが変わる気がしてたぼくは わたしはその夜1
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