詩の日めくり 二〇一八年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 

たいてい体育会系の子が多くて
ガタイがよくて、肌が日に灼けてて
スーパーの店員らしくないんだけど
なかには、ぼくと目が合って
なにやら、あやしい雰囲気をかもし出す子もいて、笑

そのなかのひとり
その子がレジ係のときに
ぼくの目をあまりにきつい目で見返すものだから
ああ、きっと、この子って、ぼくに興味があるんだなあって
2、3週間思っていたのだけれど
先週だったかな
レジで作業している
その子の左手首を見たら
たくさんの切り傷があって

ぼくの左手首にもリストカットの傷痕があって
でも
その子の傷痕は、ぼくのよりも太く
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