詩の日めくり 二〇一八年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 

きみのシルエットはすてきだった
大好きだった
大好きだったけど
好きだって言わなかった
きみは
遠いところに引っ越したぼくのところに自転車で来てくれて
遡行する光
反射し
屈折する光
光が思い出す




何度も
光は
遡行し
反射し
屈折し
思い出す。
あんにゃん
一度だけ
きみの腰に手を回した
自転車の後ろに乗って
昼休み
堀川高校
いま
すげえ進学校だけど
ぼくのいたときは
ふつうの高校で
抜け出して
四条大宮で
パチンコ
ありゃ
不良だった
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