詩の日めくり 二〇一八年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
は天使なのですか?」
「そういうものかな。
 御使いの一人だ。
 お前が生前に推測していたように
 天国は神の一部であり
 神もまた天国の一部なのだ。
 わたしも神の一部であり
 天国の一部であり
 天国そのもの
 神そのものなのだ。」
ディッシュは、ぼくの千切れた右腕を拾い上げて
ぼくの右腕のあった場所に、それをくっつけた。
すると、ぼくの腕は元通りになった。
膝の破けた服も元通りになった。
「さあ、行こうか。
 ここ、煉獄を尽き抜けて、地獄を経めぐり
 最後には、天国へといたるのだ。
 真の詩人たる、おまえの目で
 あらゆ
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