詩の日めくり 二〇一八年十二月一日─三十一日/田中宏輔
る者も
何かであるものも
何でもないものも
何かであり何でもないものでもあるものも
ないものも
みんな直立した氷柱になって固まる。
でも、ジャーって音がすると
TOTOの便器の中にみんな吸い込まれて
だれもいなくなる。
なにもかも元のままに戻るのだ。
すると、また
トイレのなかで、ご飯を炊く人が現われる。
二〇一八年十二月十七日 「神曲 煉獄篇 1」
ぼくは、角の店のポリバケツのゴミ箱の横に倒れていた。
ぼくの右腕だろう。
離れたところに落ちていた。
指先は動いた。
ぼくが思うとおりに動いていた。
ぼくは自分の右腕
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