くだらない街の冬の陽炎/ホロウ・シカエルボク
 
車を手に入れてさ、と俺は説明した「もうすぐ修理が終わって走れるようになるんだ、後ろに乗せてやるから海でも行かないか?」うーん、とアミは考えてるみたいな顔をした、「車なら飛びついたんだけどね…だけど、面白そうだから、連れてってもらおうかな」よし、と俺たちは二人で自転車屋に戻った、おっちゃんに金を払い、磨いてもらってピカピカになったそいつに乗って二人で海に行った、冬だから誰も居なかった、だから俺たちは開放的になってつい砂浜でやってしまった、砂が入ってしまって痛い思いをしたけど、イクとこだったからすげえ我慢したんだ、服を着て居眠りをしてたらすぐに夜になった、自転車はライトが点かなかった、やだな、もう、と
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