詩の日めくり 二〇一八年十月一日─三十一日/田中宏輔
 
いあいだに書かれたものを目にしたためか、ぼく自身のここ30年というものに思いを馳せた。


二〇一八年十月三十日 「小川三郎さん」


 小川三郎さんから、詩集『あかむらさき』を送っていただいた。収められている詩は、小説で言うならば、奇譚の部類に入るもので、詩句の運びは、ひっかかるところがまったくない流暢なものであった。


二〇一八年十月三十一日 「毛毛脩一さん」


 毛毛脩一さんから、詩集『青のあわだつ』を送っていただいた。ブレスの長さが、ぼくと比べて、2倍くらい違っていて、息の長い詩句がつづく。息の長さは、なにかに比例しているような気がした。そのなにかというのを明確
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