詩の日めくり 二〇一八年十月一日─三十一日/田中宏輔
 
しても、ルーシャス・シェパードの『緑の瞳』が見つからなかったので、Amazon で買い直した。傑作だったので、手放すことなどなかったはずのものだったのだけど。何度も何度も同じ本棚を見直すという行為自体は、それほどいやじゃなかったけど。この作品、主人公は、死んだ詩人。まあ、医学実験でゾンビになった詩人、で、ゾンビは瞳が緑色なのであった。どういった物語かは忘れたけれど、この本はぜったいに手放さないぞと思っていた作品だったので、いま、自分の部屋のどの本棚にもなかったことにショックを受けている状態である。もう一度、本棚を探してみるか、と思って、探したら、ルーシャス・シェパードの『緑の瞳』が見つかった。なん
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