希望だったけれど叶わなくてもよかった/ホロウ・シカエルボク
 
、そんなことを考えていると少しだけ目が覚めてきた、気温が下がり始めたせいもあっただろう、そういえば週明けから寒くなると二日前のニュースで見たような気がする、そして俺はそんな気温の中を歩くには少しだけ薄着だった、ぶるぶるっと犬のように震え、歩く速度を上げた、まだ時間が早い、歩いているうちに少しは暖かくなるかもしれない、それは希望だったけれど特に叶わなくてもよかった、そんな裏切りには慣れていた、たぶん、この世界の中に存在する生きものの中では、一、二を争うくらいのレベルで―目的や、指針、それから実績、目に見えるもの、データとして差し出せるもの、今日も通りではそんなものばかりがありがたがられていた、俺はそ
[次のページ]
戻る   Point(2)