詩の日めくり 二〇一八年九月一日─三十一日/田中宏輔
 
カーマンが入ってたので買ったのだが、これは期待していい短篇集のような気がする。大げさすぎるところが、アメリカンって感じだ。


二〇一八年九月四日 「断章」


一たびなされたことは永遠に消え去ることはない。
(エミリ・ブロンテ『ゴールダインの牢獄の洞窟にあってA・G・Aに寄せる』松村達雄訳)

 過去はただ単にたちまち消えてゆくわけではないどころか、いつまでもその場に残っているものだ。
(プルースト『失われた時を求めて』ゲルマントの方・?・第二章、鈴木道彦訳)

いちど気がつくと、なぜ今まで見逃していたのか、ふしぎでならない。
(ドナルド・モフィット『第二創世
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