書き換えられ続ける譜面の擦れた紙面が鳴くような音を立てる/ホロウ・シカエルボク
いて神経質にならざるをえないのだ、今夜は指先が冷えている、そんな事実を確かに確実に、これを読んでいるあなたに届けることすらままならないとしても、私は私という人間以外のものでは在り得ないし、またそれはあなたにとってもそうだろう、私たちは生きるだけ生きてもぎこちない個体のままで、とらわれて止まない現象のことを語り続けるだろう、そうして、そんな交錯の中で、時には嘘偽りなく本当の共鳴と呼べるようなものと出会い、関係を築いていくことが出来るだろう、そして少なくない頻度で、それらが終わることをこっぴどく知るだろう、気付けるだろうか、それが自分自身の終わりではないことを、終わりだと感じる日々の中には、まだ生きて
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