書き換えられ続ける譜面の擦れた紙面が鳴くような音を立てる/ホロウ・シカエルボク
 
きている自分が居るのだということを、決して忘れてはならない、私たちは飛び去って行く現象の中で目を見開いている、それがあなたの中を吹き過ぎる時に残していく感情や傷といったものを、どれだけの心でもって受け止めることが出来るのかということを、忘れ去られた記憶にも疼きのようなものがあるだろう、詩篇が灰になった後にも喉を突っつくような空気が残るだろう、途切れた歌声にだって僅かな反響があるだろう、終わりと呼ぶにはあまりにも曖昧なもの、それが世界であり、その中で生きている私たちはそれを見つめながら一生を歩き続けるのだ。


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