鬱血のアウトサイド/ホロウ・シカエルボク
 
ればという形でしか見つけられないものさ、君に異論があろうがなかろうが俺の知ったことじゃない、緩やかに時が流れる、その中で翻弄される連中などお構いなしだ、最期の詩を手に入れられたら笑って死ぬことが出来る、だけどそれは生きてるうちには叶えられない夢だろう、凍てついた窓ガラスが風に吹かれて泣声を上げている、部屋は直線的な寒気に満ちている、最初に見た夢の話がしたくて口を開けたのかもしれない、でも目的なんて往々にしてどうでもよくなるものだ、決まって意味を成さなくなるのさ、そこに気付けない連中から迷子になって諦めていくんだ、そんな連中の背中をいったいいくつ見送ったことか、だからヴァイオリン・ソナタを、凍てつい
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