鬱血のアウトサイド/ホロウ・シカエルボク
 
短い眠りの中で見る夢は結論を求めない、ただいびつな現象を垂れ流すだけだろう、薔薇は赤い、そううたうことはシンプルではない、薔薇が赤いことなんてただの偶然に過ぎないのに、列車の中から見える景色を一つの言葉で語ることは出来ない、シンプルとは本当はそういう概念であるべきだ、無数の窓の中で夕日は分散される、そんなとき君は何を数えるのだろう、他に窓の前に立っている者は居ない、そんなときに存在であろうとすることは果たして無謀なことだろうか?どこから何を見ているかによるのさ、視点のない表現になんてきっとどんな意味も見つけることは出来ない、宝の地図を見れば宝が手に入るわけじゃない、絵本のような優しい芸術に慣れたや
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