初冬の朝/山人
程度の力で勤しむことだ。定年には、一年四か月ある。そこから先のことも考えていかなくてはならない。母の後には、アルコール依存の九十一の父もまだ残っている。五体満足でまだまだ私は存在していかなければならない。
昨日、母の四十九日法要を行った。家族だけ(妹の夫は参列)の小さな法要であったが、終了後の父はあいかわらず酒で悪酔いし、とめどなく言葉を怒鳴り、他界した母はやっと静かに居られると笑いあった。妹の夫には、コロナ禍でこじんまりとした四十九日で良かった、普通の法要はこんなもので済まないね、と皮肉られたが、世間一般の四十九日など出来ようもなく、この人には一生頭が上がらないのだろうかと自分自身の生き
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