風穴の夜/ホロウ・シカエルボク
 
がなければ、本能は起動する、どうしてそこに居るのか、どうして生き続けるのか、どうして心があるのか、どうして感情があるのか、どうして芸術は生まれたのか、どうして言葉は紡がれたのか、どうして歌声は上げられたのか…きっとみんな、その始まりとなるものを目にしたのだ、その始まりとなるものを耳にしたのだ、それは確かな感触をもって、俺たちの細胞を揺り起こす、目覚めろ、夢を見続けてはいけない、その寝床は時間をかけて腐っていく者たちの為のものだ、お前はそうじゃない、俺たちに気付いた、そうだろう?お前がこれまでに手にしたうちのどれでもいい、手段を選択して実行するのだ、それがこの一日に確かな色をつけてくれる、今日のお前
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