詩の日めくり 二〇一八年二月一日─三十一日/田中宏輔
 
かった記憶がある。

 いま、お風呂からあがった。お風呂場では、湯舟につかりながら、マイク・レズニックの『暗殺者の惑星』を読んでいたのだけれど、きのう、きょうのあさと読んでいた、阿賀猥さんの『民主主義の穴』との共通項があったのである。それは「悪」の問題である。阿賀猥さんは「善」も扱ってらっしゃったけど。

『暗殺者の惑星』エピグラフが頻出するのだけれど、冒頭から書き写してみよう。異様な世界観が露出する。

プロローグ

「悪の中にも善なる魂はあるものだ」
━━シェイクスピア

「われわれが屈することのない悪はみな恩人である」
━━エマソン

「われわれの最大の悪はわれ
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