それは日向の路上でふと頬をかすめる雨粒に似て/ホロウ・シカエルボク
かしい…けれど実際のところ、それほどの時間が経過したわけではなかった、俺はもの思いに耽っていたので、途方もない時間が経ったと勘違いしただけだったのだ、何もかもが嘘のようだ、そんな感じがしたが別にそんなのいまに限ったことではなかった、ただいまが、そういったことを感じるのにちょっと適している時間だというだけのことだった、この世界は常に嘘のようなもので満ちている、その原因はあまりにも不確かな、不確実な自分自身の存在に寄るものだ、不確かな存在を抱えて世界を生きていくにはどうすればいいのか?そんな存在である自分自身にどこまでもこだわり続けていくことだ、そこには間違いもたくさん生じるだろうし、ひどい遠回りにな
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