それは日向の路上でふと頬をかすめる雨粒に似て/ホロウ・シカエルボク
 
になることも頻繁にある、だけど、人間なんて正解のために生きているものじゃない、行動と結果の連鎖の中で、何を見つけ、自分のものにしていくのか、それだけだ、俺は自分を正しい人間だなんて思ったことはない、ただ、この俺を生きるのにこの俺以上のいきものなど存在しないということを知っているだけなのだ、暗闇の中にゆっくりと、頬を撫でるように新しい空気が立ち込めていく、ようやく、この裏ぶれた通りの誤差は修正されるらしい、少しずつ風が吹き抜け始める、世界は確かに動いていた、俺は表通りへと向かって歩みを進めた、1日が始まる、誰のものでもない自分自身だけがずっと誇りだった、そして、これからもそれは、決して変わることがないだろう。

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