それは日向の路上でふと頬をかすめる雨粒に似て/ホロウ・シカエルボク
 
た、あとは、上手く眠れるかどうかだ、それは可能な気がした、きっと出来るだろうと思った、誰しも授業中にぐっすりと眠ったことがあるはずだ、人間は意外と、どんな姿勢でだって熟睡出来るいきものだーと、そこまで考えたところで、自分が基本的にそれをたった一度の、気まぐれのようなものとして考えていることに気がついた、どうやら向いていないらしい、俺はそれについて考えることをやめた、ところで夜は本当に明ける気があるのだろうか?もう随分と歩いているのに通りは一向に明るくはならなかった、ラジオが言うには今日は一日気持ち良く晴れるはずだ、表通りは白み始めていた、いくら裏ぶれた通りだからって既に明るくなっていなければおかし
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