それは日向の路上でふと頬をかすめる雨粒に似て/ホロウ・シカエルボク
何故か誇らしげに見えた、シグナルは壊れていた、ショー・ウィンドウの割れた閉店したスーパーの中で誰かが眠っているのが見えた、どんな理由があってそんなところで眠っているのか、酒かドラッグで前後不覚になってしまっているのかもしれない、目立たない建物の中で眠っているという点では、まあまあ賢い方だと言えるのかもしれない、そんなレベルで良し悪しを競うことにどれだけの価値があるのかはわからないけれども…存在価値の無くなった建物の中で眠るとき、人はどんな夢を見るのだろう?ふとそんなことを考えた、その瞬間にはどうでもいいことに思えたが、そのささやかな疑問符はどういうわけかしばらく頭から出ていかなかった、もしかしたら
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