炎/葉leaf
 
付いた剣のように
  にぶく   潅木の質量を切りきざむ
反射をやめ斜行する
    一羽の鳥のひからびた欲望が
          陰翳をおかし続ける
    終焉をつげる羽音はやまず
うまれかわる鉄塔のなかごろに
  青銅色の叫びが    こもる
 火  であることをあきらめた
      硬葉の上半部に
  情感めいた 炎 の反照が落ちてくる
        (世界は絶対的に反転し
                収縮する
その速度だけを感じて 
ムカデは節足の下に
    はじけ散る力を見た
       (くぼみに水は集まり
        ドクダミの影
[次のページ]
戻る   Point(13)