炎/葉leaf
 
の影を映している
   気流の十指にあらがいながら
ドクダミは 炎 を包んでいる
 もえくさは 罪の記憶に羞恥の記憶
かぼそい茎はめまぐるしく装いを変えて
        (赤 金 紫 まだら模様 
   踊 り 続 け る
        (時間からも見放されて
         花はふるえる
こげついた穴から
     ツバキの葉をぬらす液体火
         炎      燃え移り
はかなく揺れる波となる幹は         
     やさしい歌と孤独の叫びを
               焚き続ける  
そして 炎 は空の裾野へと着床し
太陽と雲とをのみこんで

空は百年燃えた
人の心を焼き尽くすまで


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