なんじゃらほい/ただのみきや
もと
高台の盛土を支えるコンクリートの壁を
ナメクジが登ってゆく
朝の陽射しにぬれながら
ちょっとエッチに登ってゆく
ゆっくり ゆっくり
でも以外とせっかちさん
凹凸に身をよじりながら ああ
壁はまだ5メートルもあるのに
ぬるぬるぐいぐいぬるぬるぐいぐい
なにが彼(彼女)を狂わすのかしら
いやーん大蛇に変身したりして
と思いきやその身をグニャッと弧に
――おい! 降りるのか?
ここまで書かせといて?
昆虫にはないが
ナメクジには脳がある
その魅力って
秘密には目も鼻も口もない
わけではなく ただ
満面のすまし顔
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