三途川/田中修子
 
乳房の痛みに耐えながら、どうしても、どうしてもこの子を産むと聞きませんでした。もし子を産まなんだら、私にされたことは本当に無駄なことになってしまう。そうしてまた子は天からの授かりものであるし、今まで長男のほかどうしてかできなかった子があったのはなにかの知らせだ。
 このお腹の子を愛せれば、しっかり育て上げれば、また違うふうにあの時のことを思い出される時が来るだろう。そうさせてくれなければ私は今すぐ舌を噛み切ります、いま止めても、いつか私は絶対に自害します。
 そう、母が叫んでいるのを、わたしはうとうとと子宮の中で聞いておりました。

 腹の中にいるころからも、外に産まれ落ちてからも、そんな
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