三途川/田中修子
朝から晩までお客様の相手をしました。幼女好みのお客様がたで、なさることすべてが痛かった。わたしは沢山悲鳴を上げました。そして沢山泣きました。最後に沢山笑って、果てました。
わたしは高く売れました。十にも拘わらず、金銀簪を差し、紅を差し、珊瑚をあしらった着物を着ておりました。
終わってしばらくすると、お客様は頭をなでてくださるのが、嬉しかったのをよく覚えております。
十二になると拷問を習いました。鞭を受け、天井から吊り下げられました。
やがてお店に兄が訪ねてまいりました。そしてわたしを一晩買いました。どうやってあのお金が出てきたのか不思議です。博打でしょうか、きっとろくなことはし
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