年越し夜勤の思い出/板谷みきょう
ょっとお願いします。」
と呼ばれて「手打ち」の
立ち合いまで
させられたこともあった
まだ山口組が北海道に
進出してくる前のことだ
十二月三十一日から一月一日の
年越の夜勤は
どこの病棟に居た時も
「主婦は忙しくなるのよ。
だから板谷君、頼むねぇ。」と
十年以上も
年越しの夜勤をしていた
そんな年越の
深々と雪の降る深夜0時に
机に座り巡回記録を書きつつ
新年用に看護日誌や記録を
整理していた時に
後ろの中庭に面した窓から
コンコンと叩く音がした
初めは勘違い
聞き間違いだと思ったが
何かあっても
事務当直者は事務室で
仮眠中だろうし
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)